- はじめに -
こちらITMediaが運営するtechtargetの記事です。
そしてこちらもITMediaが運営するtechtargetの記事です。
真逆の記事を平然と載せており、控えめに言ってクソだと思います。
ちなみに上記の2つは会員登録をしないと続きが読めない僕が最も嫌いなネットメディアの形式を取っていますが、渋々確認した所、内容もアレだったのでみなさんは読む必要はありません。
ただ弊社でちょうどSlackやWorkplaceを使っているので、これから下は「WorkplaceとSlackはこんな感じ!」「社内SNSめっちゃ良いよ」って事をよしなに書いていきます。
よろしくお願いします。
- 愛されるSlack -
「何故IT企業でSlackが使われているのか?」
もはやこんなの書かなくても自明の理ってくらいIT企業に広まっていますね。
SlackのシンプルなUIと自由度、手軽さは多くの企業で愛されています。
IT企業で使われるGithubやAWS、Qiita、Mackerel…等との連携も便利です。
各アプリの使い勝手も良いですし、bot運営やコミュニティ管理をしている人も多い現状もあります。
基本的にコミュニケーション能力が低いエンジニアでも、Emojiやreactionで体裁を保つことができます。
僕はバイト含め3つIT企業を経験してますが、全てに共通して導入されていたのはSlackでした。
ただ、Slackは人数と情報量が多くなると非常に使い難くなるのも事実かなと思っています。
Slackは基本teamとchannelという単位で管理されており、channelの中身は大体Twitterのユーザストリームのような状態です。
同じteamの同じchannelで複数の議論が発生した時、その管理が途端に面倒になってしまいます。
1つの議論から木が生えていくように「スレッド化」したい時がどうしても来てしまいます。
また、こんな感じで仲良しフォロワーと作っているteamに投稿しても無視されるという現象も起こってしまいます。
また、企業に属しているのはコミュニケーション能力が低いエンジニア達だけではありません。
活発に社内のコミュニケーションツールで発言する人達も居ます。
人数が多くなってくると、Slackのteamとchannelがめちゃくちゃ増えて、てんてこ舞いになってしまいます。(いや、僕自信はコミュニケーション能力が低いのでSlackだけで良いんですが、多分Slackでめちゃめちゃ通知来たらウザいしそのうち目視フィルタでスルーしていくようになるなと思います…)
そんな課題を解決してくれるのが、社内SNSと呼ばれるツール群だと思っています。
- 社内SNSはいいぞ -
上記したような「Slackがわちゃわちゃする」「議論をスレッドのように扱える」というのが社内SNSの強みです。
最近ではMicrosoftがMicrosoft Teamsを発表したり、FacebookのWorkplace、ChatWork、Works Mobile…と色々登場しています。
(結構Slack似やLINE似というものがあって「ならSlackでええやん…」となってしまいがちですが…)
僕が言いたいのは皆さんがTwitterとFacebookとSNS用途を切り分けて使っているように、Slackと気色の違うものを導入して運用で切り分けるとめっちゃええで!という話です。
今の会社ではWorkplaceというFacebookが2016年10月に正式リリースしたサービスを使っています。
(元はFacebook at Workという名前で2年弱程クローズド・ベータ版が公開されていました)
UIはまんまFacebookを想像して貰えると良いと思います。
メインのタイムラインの他に公開、非公開グループを作れたり、自分のプロフィールページ、イベント等を作成し、社内で共有する事が可能です。
FacebookならUI/UXでSNS世代の若者エンジニャーは戸惑う事なく使えます。
新しい物を導入するには厳しい世代でも「グループ」「メッセージ」辺りを把握するだけで良いので簡単です。
何よりSlackでよく用いられる文化の1つ #times_hogehoge みたいな事をする必要がありません。
個人的には「自分管理のchannelを個人個人で用意する謎Slackの文化を作ったやつ絶対許さない」というくらい嫌いな文化なんですが、社内SNSサービスの大半には自分の投稿フィードが用意されています。
自分の投稿フィードに社内の疑問を投稿して、社内のフォロワーがそれに反応、みんなで解決するという流れを起こせます。
メインフィードには他の社員の投稿が色々流れてきていて、ゆっくり眺める時間には「あ、あの部署であんな事あったんだ。」と気付きを得られます。
メールやSlackでは得られにくい気付きです。
自分のプロフィールを作る事で「社内のあの人どんな人?」という時に検索ですぐ確認できます。
Markdown形式投稿のサポート、音声通話、上司や社長の投稿にイイネ!ひどいね!できる所も良いです。
本家Facebookと同じスタンプもあって、もちろんこれも使えます。
何より良いのは「あ、このプロジェクト途中だけどあの人を入れようという時」「議論が枝分かれした時」にそれぞれ投稿やグループ毎のパーマリンクがあったり、コメントに対するコメントのような形式で段組み出来るのが素敵です。
細かな事をSlack、会社全体やプロジェクト単位の議論を社内SNSと切り分けて使う事で、Slackでよくある問題点や運用をカバーしつつ、人数が多い時に得られない発見を得る事ができるのが社内SNSなのです。
- 欠点も挙げておく -
褒めちぎってるのも気持ち悪いので、何個か欠点を挙げておこうと思います。
ひとつは、全社SNSともなると同じSNS内で議題によって慎重な言葉と軽いノリを選ばないといけません。
重要な所で「それな」「ウケる」「わかる」を使わないよう日々戦っています。
それに加えて僕はコミュニケーションが苦手なタイプのエンジニアなので、全く知らない部署の全く知らない人からコメントが来ても「イイネ!」して終わってしまいます。
SNSの使い方や認識が違うエンジニア、営業、各世代がFacebookに集まっていると思うとかなりカオスなイメージができると思います。
あとこれはWorkplace特有なんですが、本当情報量多いです。
本家FacebookのUIなので「トレンドの投稿」とか「おすすめのグループ」「Workplaceの改善にご協力下さい」とか常に目に入ってくる位置に居ます。
弊社ではJSやCSSで何とか見やすくしようというグループがあり、その方々が色々消したり広げたりして良くなって来ましたが、デフォルトだとホント「社内SNSにこんな情報要らんやろ」となります。
あと、APIも現状(2016/11/11)ダメダメです。
FacebookのGraph APIをそのまま使える(多分本当にそのまま移行してきたっぽい)んですが、そもそも外向けのFacebookと社内SNSであるWorkplaceの気質が違うのにまんま一緒で「APIありまァす!」と言っていて狂気の沙汰です。
まずApi_Keyには共有のAdminのものしかありません。
そりゃFacebook用のAPIは複数のアカウントが1つの何かに紐付くような設計ではないですからね。
そのまま持ってきたらそうなります。
AdminのApi_Keyではユーザトークンを発行できるのですが、そのユーザトークンが24時間でRegenerateされます。つまり「Adminの人」と「社員」は毎日ユーザトークンを配布、受領する何かを自前で作らないといけません。
1つのApi_Keyで管理されているので、それが漏れれば非公開Groupも社長のDMも見放題です。
しかし、公式のサンプルは「Api_Keyを用いて全公開非公開関わらず全Groupの最新投稿を取得」だけです。しかも今や小学生にすらバカにされるPython 2.7のコードのみです。
Workplace専用のDeveloper Referenceができましたが、全く参考にならず、FacebookのGraph APIを参考にするしかなく、APIでの@メンションが実装されていなかったり、社内SNSとしての弊害も多いです。
メンバーである社員がAPI経由で投稿したり、botを作るまでの道のりはとても長いです。
思い付く文句を挙げてますが、週スパンで結構更新が見られるので、流石Facebookといった所。
不満もスピード感持って解決されていきそうな気はしてます(気がするだけ)。
- おわりに -
社内SNS薦めたりDisったり大変でした。
まあでも結構好きなんですよね社内SNS。
SNSネイティブ世代だし本当サイコー。
Slackのカジュアルさで社内コミュニケーションできるし、コミュ障にとっての理想郷です。
今後入る会社にも是非導入されていてほしいです。
中規模、大規模辺りの会社になってくると、どうしてもSlackなんかじゃ見れないなと思うんですが、その課題を上手く解決できるサービスとして成り立つなあと思います。
Slack競合っぽいやつとかLINE似系のアレも使った事あるんですが、大体ちょっとアレなんでコメント控えます。
あと、MSは「Microsoft Teams」を発表する前「Yammer」というサービスをOffice 365の中でやってたんですが、あっさり捨てちゃって「Microsoft Teams」出したんで社内SNSサービス使ってたけど突然辞められて困ったみたいな事になるの可能性があるというのはアレですね。社内議論ログが全部消えちゃう!とかね(どんなサービスにも言えますが)。
あと僕はYammerも使ってた事あるんですが、検索ロジックがゴミで結果がソートすらされなかったり、API Referenceが404だったりと本当ダメそうな感じはありました。
一応Teamsも気にはなっていて、以下の記事を読むとUIや外部連携方法がまさにSlack、かつ大きめの企業でも使えそうという感じではあるんですよね。
ひとり Microsoft Teams をはじめてみる - kazuakix の日記
Microsoft Teams に PowerShell で投稿してみる - Qiita
レビューが増えるのを待っています。
まあ色んな社内SNSの名前を出しましたけど、それぞれ良い所もあればダメな所もあるわけです。
なのでテスト期間を作ってみて、社員の評判を聞いてみるのが大事だと思います。
なのでテスト期間を作ってみて、社員の評判を聞いてみるのが大事だと思います。
大事なので2回です。
個人的にはGoogleがそれっぽいの出してくれて、Google Drive上のファイルを展開できたりハングアウト、Google Calendar、GASと連携できれば最高なんですけどね。
Googleになら抱かれても良いです。
Googleさん、よろしくお願いします。