− はじめに −
就職して一年目。
久々に愛媛の実家に帰ってみて「よくここからエンジニアになれたな…」と思った話。
地方と関東のIT格差ほんと半端じゃない。
− インターネットも東京も遠い −
まずインターネットが遠い。
果てしなく遠い。
ブラジルから冥王星くらい遠い。
1時間安定してインターネットに接続し続けるだけでも、田舎では修羅の道だ。
年末年始にバズったフォロワーのところてん氏のツイート
上京してしまった息子に帰省してもらいたい、親の皆さま。
— ところてん (@tokoroten) 2016年12月30日
実家にちゃんと回線を引きましょう。
ネットワークという基本的人権が保障されない場所に行きたい人はいません。
ましてや、このような通信速度の回線は人権侵害なので、そのような場所に帰省する人はいません。
(もう東京帰りたい) pic.twitter.com/sbJDiXKXM6
本当にこれ。
人権が感じられない。
「デザリングすれば良いや」と言えたらまだ田舎じゃない。
山が開けた場所か買い物に行った時に精神安定剤のようにインターネットをし、ツイで心救われる帰郷だった。
得てして東京も遠い。
電車と飛行機と車で1日かけてやっと辿り着く。
年末年始やイベント時だと混んでいてさらに地獄。
愛媛に向かう新幹線では、隣でオッサンが3DSが出せる限りの最大音量でポケモンを始めるし本当つらかった。
「気軽に帰ってこいよ」と沢山言われたけれど、体力的にも金銭的にも「気持ちが軽く」なんて絶対ありえない。
重さで言えば、久々に実家に帰ったら弟がデキ婚してて親は仕事を辞めてて叔父さんが離婚してた時の俺の気持ちくらい重い。
− 圧倒的なIT格差 −
ノートPCは持って帰っていたけれど、家からAWSに安定してSSH繋ぐこともできない。
コードを書こうにも、調べ物するための速度が遅い。
亀みたいだ。
よくこんな環境でプログラミング始めようと思ったなと、自分で自分を褒めたい気持ちになった。
大学編入で関東に行きフォロワーが増えた事で、関東圏や関西、近畿、東北といった場所の高専生、大学生と交流したが、今思えばみんな圧倒的に経験豊富だった。
大手企業からベンチャー企業の開発者による講演や授業を聞いて、好きな技術カンファレンスに行き、インターンやバイトとしてもの作りをして、自分で作った物を発表して、実際に知識欲とモチベを奮わせて、アドバイスし合って、時にオフ会をしていた。
そこまで意識が高くなくても、コミケ然りイベントの情報を得て参加出来る。技術ある街を歩ける。
そういった小さな事でさえも体感する事で得られる情報の量の差が圧倒的に多そうだった。
流れが早いIT系だからこそ「常に温故知新を心掛けられるかが大事だ」と思っているのだけど、今回の帰郷で「そんなもんが出来るのはインターネットと交通のインフラが整っている場合だけだ」と改めて痛感した。
俺がど田舎で亀みたいな速度でおもちゃのコードを書きながら高専でシコっている間に、世の中にコミットするマンは関東圏で着々と良い経験をして育ってたんだよなあ…と思ったら何かやるせない気持ちになった。
− おわりに −
考えてるうちに、そのうち本当に片田舎の高専なんて地方に就職するための訓練高校になるんじゃないのと思った。(過激)
情報量の違いは否定できないし、最新技術を追っていかないといけない分野は全く勝負になる気がしない。
まあでもインターネットが途切れ途切れでも田舎に住んでる人は困らない訳で、あまり母校がどうこうとか考えず、のんびり炬燵で餅食ってるのがベストなのかも知れない。
帰郷は辛い事もあれば、楽しい事もある。
家族と映画でも見ながら明日の東京へ帰る新幹線を待つことにする。